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「対岸の彼女」角田光代
少し前にNHKで「八日目の蝉」というドラマを放送していた。

これが見事にツボにはまり・・・。大泣きしながら最終回を見てしまった私は、「作家・角田光代」に非常に心魅かれるものを感じたのだった。

「対岸の彼女」は、専業主婦・小夜子が幼い娘・あかりを保育園に預けて働き始めるところから始まっていく。人間関係が苦手で、公園デビューもうまくいかず、ママ友もうまく作れない小夜子。窮屈な日常からの小さな脱出を試みた、というわけだ。

彼女を雇ってくれた女社長・葵は、偶然にも同い年で同じ大学出身だった。

専業主婦でやや引っ込み思案な小夜子と、自分で会社を立ち上げてバリバリ働いている独身の葵。小夜子の現在と、葵の高校時代が交互に描かれて、物語は展開していく。

まったく“対岸”にいるような2人の女性だが、心の底の深い部分で重なり合ってるものを感じた。

タイトルの“対岸”には、いろいろな意味が込められていると思うのだ。高校時代の葵と親友のナナコ。2人の存在そのものが、小夜子にとっての“対岸”でもあると思うし。

“ナナコ”という女の子は、この物語のキーパーソンなのだろう。角田光代は、心の中ががらんどう、空洞になっている人間を描くのが実に巧い作家だと思った。

それにしても。
人間関係の描写、特に女子高校生独特の雰囲気・・・そのリアルさには驚いた。「私の高校時代、見てたんじゃないの?」と思ったくらいだ。

女子たちは似たもの同士でグループを作る。

その中でもクラスの中心に位置する、華やかなグループの1人が、「ちょっとさあ、あの人ってどう思う?」なんて言おうものなら、そこからイジメが始まったりするのだ。その対象が時にはクルクルと他の人に移ったりすることもあった。

私は4人+αの地味なグループで行動していて(他のグループの人がくっついたり離れたりもしていたので)、クラスの中心からははずれていたものの、その中でもいろいろあった。

しかし、考えてみると、女性というものは、主婦になってもグループを作りたがる。所属していないとどこか不安なのだ。

私のパート先には、30代で保育園に子供を預けて働いてる人たちが何人もいる。

「この前さー、小学校の就学時検診に行ってきたんだけど、幼稚園ママたちががっちりと派閥を作ってて、何だか怖かった~。保育園ママたちは少数派だから、ああいう雰囲気は嫌だわ。」と話しているのを聞いたことがある。

私はマイペース人間なので、子供たちの幼稚園時代は面倒な人間関係に巻き込まれたりはしなかった。

住人同士仲の良いマンションだと、「パパたちは仕事で毎日遅いから、ママと子供たちでグループを作って、持ち回りで夕食の食事会をしてるのよ。」なんてこともあったようだ。朝送って行って、帰り迎えに行って、そこからまた夕食まで一緒・・・なかなか濃い付き合いである。

幼稚園から帰ってくると、毎日晩ご飯前まで一緒に遊んでいるグループもあった。お母さん同士の付き合いも大変である。

「ママ友」だけではない。「対岸の彼女」の中でも、後半、葵の会社のスタッフが次々辞めていくのだが、人間関係って、いつでもそういう危うい部分を持っているのだとも思う。みんな心の中で求めてるものは同じなのに。

角田光代の本は、終わり方に希望の光が感じられて、優しい温かい気持ちにさせられるところが好きだ。久しぶりに、はまって夢中になって、あっという間に読み終えてしまった。

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【 2010/05/20 09:00 】

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