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目の前で人が倒れたら・・・
職場での昼休み。
突然、長男から電話があった。
「かあちゃん、今、バスを降りようとしたら、目の前で人が倒れた。で、俺が救急車に乗って一緒に行くことになっちゃったから。帰り、少し遅くなるわ。」

な、なに?突然の話で意味がわからなかったけど・・・。帰宅後、ゆっくり話を聞いた。

今日、長男は大学の医学部に通う先輩に誘われて、ランチを食べに出かけていた。先輩は春から研修医として新潟に行くことが決まっており、長男ともしばらく会えなくなるとのこと。大学に合格したことをとても喜んでくれたようだった。

ランチの帰り、先輩と別れて駅前行きのバスに乗り、降りようとしたその瞬間。
支払いのバスカードを取ろうとしたら(うちの市は後払い)、後ろに並んでいた老女が突然、意識を失って頭から倒れた。長男の着ていたコートに頭が引っ掛かった。

「大丈夫ですか!」
近くにいた女子高生たちは、「キャー」と叫んで逃げていき、若い男性運転手は突然のことにすっかりうろたえてしまい何も出来ない。仕方なく長男が自分の携帯から救急車を呼んだものの、なかなかすぐには繋がらなかったとのこと。老女は意識がなく、話しかけても反応はなかった。ニット帽をかぶり、身だしなみにも気を使っていない感じで、顔にも生気がなかった。倒れた現場にいた人たちは、誰も助けようとしなかったのだ。

5分ほど待って救急車が到着。
長男が通報者だということで、同乗することになったというわけだ。

救急車の中から搬送先の病院を決めるために、救急隊員が電話を掛けたが、二つの病院から受け入れを断られた。平日の真昼間だというのに。三つ目に受け入れてくれた病院が、偶然にも先ほどランチを一緒に食べた先輩がいる大学病院だった。担当の救命救急医は若い女医で、疲れ切って仮眠を取っていたところを起こされた様子だった。

老女の持ち物から、ここの病院に通院中であることがわかり、病名は「子宮癌」であることが判明。かなり血圧が下がっていて、病状も進んでいるらしい。これまでに4度も手術を受けている。老女と思ったが、まだ59歳。家族は娘が1人だけ。その娘も仕事のシフトが忙しくて、なかなかゆっくり会うこともできないのだそうだ。

「あなたは家族じゃないわね?高校生?・・・じゃあ、この先の話は聞かないほうがいいわ。もう帰っていいよ。」と、長男は女医に言われたのだそうだ。

そんなところへ、先ほどランチを一緒に食べた先輩がやって来てくれた。
「わかっただろ?これが医療の現場なんだよ!!○○くんがいくら立派なことを言っても、机上の空論にしか過ぎないこともたくさんあるんだ。俺たちは毎日、人の命を預かってるんだから!!」

長男は極めて温厚で優しい先輩に、初めて本気で怒られたのだそうだ。2人とも政治に興味があり、今までもいろいろな分野に関して議論を戦わせてきたらしいが、こと医療改革に関しては、先輩はまったく譲らなかったのだそうだ。先輩は、両親の不仲・離婚・生活苦の中で、奨学金とバイトで必死に食いつなぎながら医学部に通っていたという、今どき珍しいくらいの苦労人なのである。

数学が苦手な長男に、時々タダで勉強を教えてくれていた。どんなに出来が悪くても、決して怒らなかった先輩に、初めて本気で怒られたのだそうだ。

人が倒れていても、誰も助けようとしない現実。(みんな逃げる)
救急でも、たらい回しにされる現実。(搬送先が決まるまでに時間が掛かる)
お金がないと、十分な医療も受けられず、生活にも窮するという現実。
暖かい家族に囲まれて療養出来る人間ばかりではない、という現実。
救急の現場は人手不足で、救急医自身がかなり疲労困憊しているという現実。


「オレはかなり恵まれてるんだよな。かあちゃんが、病気であんな風になったら・・・と思うとゾッとした。いつまでも元気でいてくれ。」と、長男はちょっと奮発してケーキを買って来てくれたのだった。ありがとう♪

現場を見て現実を肌で感じて、本当に困ってる人を助ける政治でなければ。
「机上の空論になるな!」
と、先輩が本気で怒ってくれたことは、長男への大きな大きなプレゼントだと思った。
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テーマ:主婦のひとり言 - ジャンル:日記

【 2010/03/02 21:32 】

| 日々つれづれ | コメント(4) | トラックバック(0) |
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コメント
--- ninngennmodoki さん、こんにちは♪ ---

ありがとうございます!!
長男の周りには苦学生が多く、苦労しながら高校や大学に通ってる人の話を良く聞きます。うちなんてまだまだ甘ちゃんです。芯のある若い人は、大勢いますよ!
そういう人たちと縁があり、影響を受けられたことは、長男にとってはとてもラッキーなことだと思ってます。

今回の件は、まぁ当然のことをしたまでだ、と思いますが、現実はなかなか大変なのですね。倒れた女性の身なりがひどかった、ということもあるのかも知れないですが。

私自身はこういう経験はしたことがないので、貴重な出来事として、心に留めておいて欲しいな、と思いました。

今の若者たち、真面目でちゃんとした人、多いですよ。景気が回復して、活躍の場が増えるといいなと思います。
フィリカ * URL [編集] 【 2010/03/08 11:51 】
--- ---

記事を読ませていただき、驚いたり考えさせられたりしました。偶然とは思えないような出来事ですね。まるで長男さんだから遭遇したのではないかと思えるようなタイミングです。何か運命のようなものを感じます。
このような希少な経験を若いうちにされたということはとても意味があると思います。
わが子がその場にいあわせたらきっと他の人と同じようにうろたえて逃げ出してしまっていただろうと思います。

高校の先輩の一言も心を打ちました。
人の生死を相手にしている職業ゆえにでる真実の言葉だと思いました。
国会で空虚な論争に時間を費やしている人たちに聞かせてやりたいです。
長男さんには「世のため人のために」考え、働ける人になってもらいたいですね。
いやーいまどきの若者にも芯のある人いるんですねー。感心しました。
わたしもうかうかしてられません。老体?に鞭打ってまたがんばります。
ninngennmodoki * URL [編集] 【 2010/03/06 09:49 】
--- 碧さん、こんにちは♪ ---

ありがとうございます!!
周りにいた人たちは、全員、見て見ぬふりをして走り去ったそうです。運転手は、「バスのダイヤに遅れが出るから・・・」と、うろたえるばかり。
倒れた女性は、かなりみすぼらしい感じだったらしく、ホームレス?と思えるほどだったとか。
長男のすぐ後ろで倒れたので、とても放っとけなくなったらしいです。もしかして死んじゃう?と思ったそうで、かなり怖かったらしく。。。
珍しい経験ですよね。しかも、運ばれた先には、ランチを一緒に食べた先輩もいるし。
世の中には大変な思いをされてる方が多いのですね。

これから親元を離れて、ますますびっくりするような経験をするんでしょうね。

ひとまず、ほっとしました♪
フィリカ * URL [編集] 【 2010/03/04 19:48 】
--- おめでとうございます♪ ---

遅くなってしまいましたが、長男くん無事合格おめでとうございます(*^^)v
今回の記事を見てもとってもやさしいお兄さんなのですね☆
やはり、いい事をしてると素敵な事が起きるんです!!

フィリカさんもご苦労さまでした(^O^)
碧 * URL [編集] 【 2010/03/04 18:08 】
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